テレビのニュースで毎日株価が伝えられますが、同時に「出来高」(売買高)も案内されます。出来高は取引された数量を表しますが、出来高と株価の相関関係を理解できていない人が少なくありません。

●出来高とは
出来高は、時間毎に約定した株式の数を示しています。株式の売買は、売りたい人と買いたい人の希望価格と株式数が合致することで成立します。同じ株式で、売りたい人と買いたい人がいなければ、取引は成立しません。出来高が多いということは、売りたい人と買いたい人の数が多いことを意味しており、相場が活発に動きます。『出来高が株価に先行する』と言われているのは、売買が多くなるほど株価の変動に繋がるからです。そして、出来高の多い銘柄は売買が頻繁なことから「流動性が高い」、少ない銘柄は株式が塩漬け状態のため「流動性が低い」ことになります。

●価格帯別出来高とは
出来高には時間毎の取引量だけではなく、各銘柄の株価ごとの取引量を示す「価格帯別出来高」という指標があります。仮に、A銘柄の価格帯別出来高が以下だったとします(左:株価、右:出来高)。
・1,000円:1,000株
・1,100円:1,500株
・1,200円:3,000株
・1,300円:1,500株

この表から、1,000円から1,300円の価格帯で、トータル7,000株の取引があったことになります。1,200円で最も多い3,000株の取引がされており、1,200円で買った投資家と売った投資家が一番多いことになります。

●価格帯別出来高が売買に与える影響
当然、1,200円で取引されている株式の株価が下がることもあります。そして、下がってからまた1,200円に戻した際に、1,200円で株価の上昇の止まるケースがよく見られます。それは、1,200円で購入した投資家が多いため、売りの圧力が大きくなるからです。つまり、1,200円で買った投資家は、株価が下がったことで含み損を抱えており、株価が戻った時点で含み損を解消するため、多くの投資家が株式を売却処分します。従って、株価の上昇が止まります。

逆のことも言えます。仮に、A銘柄の株価が1,300円に上がった後、下がってきたとします。過去、1,200円で売った多くの投資家は、値上がりしたことで含み損が発生していたため、1,200円近くに戻って来ると買い戻そうとします。従って、1,200円近辺で買いが多くなり、株価の下げ止まりが起きます。

●売買のポイント
相場が上昇傾向の場合は価格帯別出来高を確認し、取引量の多い価格帯(上値抵抗線)を探します。仮に、株価が上値抵抗線から上に抜けると(ブレイクアウト)、売りの圧力が小さくなったことで、株価のさらなる上昇が期待できるため、買いのポイントになります。上値抵抗線まで上がっても押し戻されるようだと、売りの圧力が残っていることから、売りのポイントといえます。

逆に、株価が下降傾向の場合は、取引量の多い株価帯(下値支持線)を探し、株価が下値支持線を下に抜けたら売りのポイント、株価が下値支持線から反発されたら買いのポイントと判断します。